今流行の「合同会社」とはどんな会社?

現在の日本において会社を設立する場合、

・株式会社
・合同会社
・合資会社
・合名会社

上記4つの法人格から、一つを選択することになります。

2020年発表されたデータによると、2019年に設立されたすべての会社のうち、合同会社が約20%を占め、年々増加傾向にあるようです。

以前も、一度事業化を考える場合の選択肢の中で、合同会社について触れましたが、今回改めて、近年注目度の高い「合同会社」について解説していきます。

合同会社とは?

合同会社は2006年の新会社法で誕生した新しい会社形態でアメリカで人気の会社形態「LLC(=Limited Liability Company)」をモデルとしたもので、日本では「日本版LLC」とも呼ばれます。

ちなみに、「LCC(=Low Cost Carrier)」は「ローコストキャリア=格安航空会社」なので、LLCとは別物ですのでお間違いなく。

 

合同会社の大きな特徴は、会社に出資している者が経営をしているというところです。

つまり「経営者=出資者」というわけです。

一方で一番メジャーな会社形態である株式会社の場合、出資をしている者と経営する者は、同一ではありません。株式会社でも、設立当初の企業や小規模企業であれば「経営者=出資者」という形も見られますが、本来的には、出資者(会社所有者)と経営者が異なり、会社の意思決定には株主総会による決議が要件とされているため、必ず株主総会を開催しなければいけません。

合同会社であれば、このような総会は必要なく、意思決定は経営者内での会議で決定し、迅速かつ柔軟な経営ができます。

他の会社形態と大きく異なるのは、この経営者と出資者の違いです。

他にも、他の会社形態と異なる点がありますので、メリットデメリットで解説していきます。

メリット

会社設立コストが低い

まず合同会社設立のメリットは、なんといっても法人設立コストが低いことです。

どこまで自分で設立業務をするかにもよりますが、最安で考えるなら法務局に払う登録免許税の6万円程度で会社設立ができてしまいます。

合同会社の場合には定款の作成は必要ですが、定款認証は不要なので、認証の費用がかかりません。できるだけ出費を抑えたい法人設立段階においては、この設立コストが低いというのは非常にありがたいですね。

経営の自由度が高い

利益配分などを社員で決められる

株式会社では、株式の保有割合に応じて利益配分が決められますが、合同会社では定款で利益配分方法を定めれば、利益配分を出資の比率に関係なく自由に決めることが可能です。

この点は、社員全員のモチベーション向上に寄与するため、しっかりと話し合い、それぞれの役割に応じた評価と分配について話あうことは非常に重要です。

役員任期

役員任期について、合同会社は任期がありません。

株式会社は、最短で2年で最大で10年まで任期を設定することができますが、仮に役員任期終了後、役員に変更等がなくて重任(役員更新的なイメージ)という形になったとしても登記は必要になります。

そうなると、登記手続きが必要になり地味に面倒で登記費用もかかります。同族会社や資産管理会社等であれば、あまり役員の変更等もないことから、これが最短の2年で登記手続きが必要になるとなると面倒で長い目で見ると、そこそこの支出も伴ってきます。

会社の組織運営を柔軟に行える

株式会社の場合には取締役会を置く場合には監査役を必ず置かなくてはならないなどの法律上のルールがありますが、合同会社の場合にはこうしたルールは基本的に存在せず、会社の根本ルールである定款に職務内容を定めることによって自由に組織運営を行うことが可能です。

株式総会を開く必要がないので経営判断も迅速に行えますし、事業展開や撤退の判断も非常にスピーディーで、株式会社よりもフットワーク軽く事業運営を行えるのも大きな魅力です。

法人の節税メリットを受けられる

合同会社はもちろん法人なので、同じ事業を個人事業主として行った場合と比べると、法人による税制優遇を受けることが出来るため、個人で事業を行うより税金が安くなりやすいです。

会社設立に必要なコストの低さもあり、事業が軌道に乗ってきた個人事業主の方が法人化を考える際には、合同会社は魅力的な選択肢の一つとなります。

決算公表義務がない

決算公表とは、事業年度終了後の決算で作成した貸借対照表を株主総会で承認した後に、官報などに掲載することです。株式会社は本来決算公告をして会社の決算書を公表する義務があります。

株式会社は年に一度決算書を公表する義務があり、決算の公表には費用も手間もかかります。

合同会社では決算の公表義務がないので、決算公表のために費用や手間をかける必要がありません。

デメリット

信用力や認知度が低い

株式会社が世間的にはメジャーな会社形態であるため、合同会社と聞くと信用力や認知力で劣るため、仕事をするうえでマイナスに作用する点があるかもしれません。

私も合同会社の経営に携わったこともありますが、個人的にはマイナスに作用することは、そこまでなかったsですが、合同会社と聞くと少し胡散臭く聞こえたり、業種によっては、合同会社ではNGというところもあるようです。

ただ、近年多くの大企業が、合同会社を設立しています。

・アマゾンジャパン合同会社
・Apple Japan合同会社
・ソフトバンクグループジャパン合同会社
・グーグル合同会社
・ユニバーサルミュージック合同会社
・合同会社 DMM.com

そうそうたる企業が並んでいます。

そのため、これからどんどん信用力や認知力はあがっていくいのではと思います。

上場が出来ない

株式の発行ができないため上場はできません。つまり株主発行による資金調達ができないということになります。そのため、合同会社は、比較的小規模事業者向けといわれます。

合同会社から株式会社に作り替えることも可能ではありますが、それなりの資金がかかるので、事業拡大をして上場を視野に入れるのであれば、最初から株式会社を設立することをおススメします。

株式会社との違い

共通点は、利益を追求する法人であり、原則社保加入の強制や、利益が出ていなくても均等割などの納税義務を負います出資者個人が負う責任も出資に応じて決定する有限責任であるため出資者個人の負うべきリスクが少ないところ、会社設立における最低資本金制度の撤廃により、どちらも会社の資本1円から設立が可能です。

一方異なる点では、正直(同)は慣れないですよね。一般の人がこれをみたら、会社としての略称であると分かってもらえないというケースもあるようで、やはり老舗的な(株)の方が馴染みはあると思います。

次に合同会社は出資者を「社員」と呼びますが、いわゆるサラリーマンや従業員とは違う意味で、紛らわしいです。この社員のなかから選ばれた代表社員が、株式会社における代表取締役に該当します。つまり、社長や代表取締役に相当する立場であっても、名刺上は代表社員です。合同会社の会社形態を理解していない人には、「代表社員と従業員の何が違うのか?」と思われてしまう可能性もあります。

会社設立費用に関しては、どこまで自分でやるかにもよりますが、株式会社の場合は、登録免許税が15万円ほどかかり、公証役場での定款の認証に約5万円かかるため、どんだけ頑張っても20万円程度は設立にお金がかかります。

この点がある意味、合同会社が選ばれる理由NO1と言えます。

 

総じていうと、合同会社の設立に向いているケースは、スピード感が大切であるサービスや個人の会社で資金もさほど必要でない、今後さらに大きな会社に成長させるつもりはないなど、設立費用や会社運営の柔軟性がメリットとなるような場合です。

一方で株式会社に向いているケースとは、資金面が大きなポイントでしょう。株式会社を設立する大きなメリットは、資金調達がしやすいことなので開発や研究など、運営・開発する上で大きな資金が必要となるような場合が挙げられます。

さいごに

ここまで「合同会社」について解説してきました。

個人的には、上場するつもりのない法人設立なら、設立費用が安いという一番のメリットで迷いなく合同会社を選択します。

信用力や認知度が低いという点は、事業を継続していけば後から必ずついてくるものですし、そこまで気にする必要はないです。

一番重要なのは、どのような会社にしたいかという明確な方向性を定めたうえで、会社形態は選択すべきです。

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