ポイント課税の考え方と会計処理

以前のポイントの税金の取り扱いの記事の最後に「事業内で得たポイントは事業所得となる」と話した部分について今回は具体例を交えて、説明します。

あわせて、このキャッシュレス決済の会計処理の仕訳がわからないとたまに聞くので、下記の4パターンで会計上の仕訳パターンを書いておくので、帳簿の記帳が必要な事業者の方は参考にしていただければ幸いです。

①即反映型の口座引き落とし
デビットカードなど、その場で預金から決済されるもの

②チャージ式(口座 or 現金)
「PayPay」「d払い」「楽天Pay」など、預金口座からの振替やATMなどから現金を振り込みなどチャージして利用するもの

③クレジット決済
クレジットカードやクレジットカード系IDなど、後日まとめて精算が来るもの

チャージ+クレジット決済(ポイント2重どりパターン)
→②のチャージを③のクレジットカードで行うもので、「d払い」「dカード」「楽天Pay」+「楽天カード」など、「なんちゃらペイ」にポイント対象となる「クレジットカード」を紐付けて決済するもの

前提

・すべて事業利用で、消費税は加味しないものとし、以下に出てくるサービスは、私の空想のキャッシュレス決済サービスです

・「ヒゲポイント」は1ヒゲポイントにつき1円の値引きが受けられる空前絶後のイケてるポイントサービス

・「Hige Pay」というイケてるスマホ決済は、商品購入時100円につき1ヒゲポイント付与される(クレジットカード決済を紐付けている場合、「Hige Card」以外のクレジットカードの場合は「Hige Pay」決済によるヒゲポイントは付与されない)

・「Hige DebitCard」というデビットカード、「Hige Card」というクレジットカードで決済した場合、各カード利用により商品購入時100円につき1ヒゲポイント付与される。

具体例

昼にクライアントと喫茶店「Higebucks」で打ち合わせをし、コーヒー代1,000円を支払った。

仕訳については、各々の決済処理により多少異なりますが、この時点でポイントを収益として認識するなどの処理はありせん。 

「Hige DebitCard」利用時=即反映型の口座引き落としの場合

(会議費)1,000   (預金)1,000

厳密にいえば、②のチャージ式のような処理が正しいですが、利用した額が直接預金から引き落とされるため直接預金を減少させる処理になります。

なお、今回の「Hige DebitCard」払いは、1,000円なので10ヒゲポイント貯まります。

「Hige Pay」利用時(口座引き落とし)=チャージ式

利用額分チャージの場合
(Hige Pay)1,000  (預金)1,000
(会議費)1,000        (Hige Pay)1,000
事前に10,000円チャージした場合
(Hige Pay)10,000      (預金)10,000
(会議費)1,000      (Hige Pay)1,000

1行目の仕訳は、預金から「Hige Pay」へのチャージの仕訳で、

2行目の仕訳は、「Hige Pay」でコーヒー代を支払った仕訳です。

利用額分チャージであれば、「Hige Pay」部分を貸借で相殺すれば、「Hige Pay」残高は0円となるので、実質的には①のデビットカードと同じ仕訳になります。

ただ、チャージ式の場合は、事前に利用額以上のチャージが可能なので、「事前に10,000円チャージした場合」は、デビットカードのようなパターンと異なり、左と右を相殺すると「Hige Pay」に残高9,000円が残る仕訳となります。

なお、今回の「Hige Pay」払いは、1,000円なので10ヒゲポイント貯まります。

余談ですが、会計ソフトにはもちろん「なんちゃらPay」などの勘定科目はないと思うので、自分で作成する必要があります。「なんちゃらPay」は現金と同質の性質をもつものなので、勘定科目作成する場合は、

現金の勘定科目の補助科目として作成する

現金、預金の区分の中に配置される勘定科目として作成する

のいずれかで作成されるのがよいと思います。

まー要は自分が管理上わかればなんでも良い訳です。

「Hige Card」利用時=クレジット決済

(会議費)1,000   (未払金)1,000

クレジットカードは、月末締め翌月引き落としなど、かなりタイムラグが生じる決済処理です。そのため、決済時は預金を減らすのでなく、未払金という勘定科目で一時的に金額を集計していきます。

なお、今回の「Hige Card」払いは、1,000円なので10ヒゲポイント貯まります。

ちなみに、翌月預金からカードの決済料金が引き落とされた時において未払金を相殺し、預金を減らします。

(未払金)1,000   (預金)1,000

「Hige Pay」利用+「Hige Card」決済時=チャージ+クレジット決済

利用額分チャージの場合
(Hige Pay)1,000  (未払金)1,000
(会議費)1,000     (Hige Pay)1,000
事前に10,000円チャージした場合
(Hige Pay)10,000  (未払金)10,000
(会議費)1,000       (Hige Pay)1,000

仕訳上は、②の仕訳が預金部分が未払金に変わっただけです。

なお、今回の支払いは、「Hige Pay」利用+「Hige Card」決済なので、ポイントの2重どりが可能なので1,000円でそれぞれの決済サービスによる10ヒゲポイント×2=20ヒゲポイント貯まります。

夜にクライアントと「ひげ貴族」で会食をし、飲食代5,000円を昼に貯めたポイントを利用して支払った。

個人の場合は、ポイントの利用は値引きと考えますが、事業をしているときは、「値引きパターン」「ポイントを収益として考える」2通りのパターンでの仕訳が考えられます。

値引きの場合の処理

「Hige DebitCard」利用時=即反映型の口座引き落としの場合
(交際費)4,990   (預金)4,990
「Hige Pay」利用時(口座引き落とし)=チャージ式
・利用額分チャージの場合
(Hige Pay)4,990   (預金)4,990
(交際費)4,990         (Hige Pay)4,990
・チャージ残高がある場合
(交際費)4,990      (Hige Pay)4,990
「Hige Card」利用時=クレジット決済
(交際費)4,990      (未払金)4,990
「Hige Pay」利用+「Hige Card」決済時=チャージ+クレジット決済
・利用額分チャージの場合
(Hige Pay)4,980   (未払金)4,980
(交際費)4,980      (Hige Pay)4,980
・チャージ残高がある場合
(交際費)4,980      (Hige Pay)4,980

どの仕訳も基本的な考えは一緒で、本来5,000円支払うところを10ポイントないし20ポイント差し引かれた差額の支払いになります。これは費用の値引きとして4,990円ないし4,980円となっています。

事業をしていない個人のポイント利用の考え方は、個々の買い物の利用によるポイント利用は「値引き」として認識するためこの考え方になります。

ポイントを収益として認識する場合の仕訳(①の「Hige DebitCard」利用時の場合)

(交際費)5,000      (預金)4,990
(雑収入)10

これは、費用である交際費は5,000円ですが、同時にポイントにより「10円得した」という収益として考えます。ただ、収益から費用を差し引いた利益の面でみると値引きの場合も、ポイントを収益として認識した場合もこの取引内での利益は△4,990円となるので、損益の結果に影響は出ません。

考え方的には、交際費という費用を元の金額で認識し、ポイントも収益と考える後者の考え方の方が、丁寧で実態に即しており、また帳簿上どれだけポイントが事業で貯まったのかも、確認できるのでむしろしっかりポイントも管理したい方は、ポイントを収益として処理する方がよいと思います。

これは私の憶測ですが、事業をしていない個人でポイント分を収益と考えると、所得が発生する可能性が出てくるため、ポイントで得した部分を「集計」する必要がでてきます。事業をしていないにもかかわらず、日々の取引のポイント利用分を記録することは、利用する個人側もそれを確認する税務署側もかなりの手間がかかること、そして基本的にはポイントは少額であることが多いことにより、原則個人利用のポイントに関しては「値引き」として考えるようになったのかなと私は思っています。

さいごに

以上ここまで事業時における決済時のポイントの考え方と処理について書いてきました。ちなみに事業上で、

抽選でポイントが当たった場合

キャッシュバックでポイントや現金をもらった場合

などは、事業上は事業所得の雑収入として収入で受ける必要があります。

ここに関しては、値引きとは考えないので、分けて考えましょう。

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