【新社会人必見】控除額を制する会社員は、人生を制する!!

今回は、前回の「給与明細は毎月確認しよう」に引き続き、給与明細の記載項目である「控除額」について解説していきます。

と言うのも「控除額を制する会社員は、人生を制する」といっても過言ではないからです。

偉く大層なことほざきますが、控除大国である日本で控除を知らずに生きているのは、コロナ禍でマスクをせずに生きているようなものです。

そのため毎月の自分の給与からどれだけの税金や社会保険料が控除されているかを確認することは非常に重要です。

ただ、控除額は項目が多くとっつきにくい用語も多いため避けがちです。

まずは、用語の意味を簡単に説明しておきます。

用語の説明

控除額

控除額とは、給与(基本手当や残業手当、通勤手当等の各種手当合計額)から差し引く金額をいい、法律上控除すべき「法定控除」と企業ごとに定める「その他の控除」と2種類に別れます。

法定控除は、「所得税」「住民税」「社会保険料」をいい、目的に応じて会社独自の積立金などで控除されるものを、その他の控除といいます。

ここでは「控除額」=「法定控除」で話を進めていきます。

所得税

個人の所得(=会社員であれば給与)に対して課せられる国の税金を言い、給与所得と言われる所得区分に該当します。

会社では、従業員の所得税を給与から差し引き代わりに支払ってくれる「源泉徴収」という形をとっているため、給与から所得税が控除されます。

住民税

その年の1月1日現在の住所の地方公共団体から課せられる税金を言います。住民税は、大きく所得税のような所得に応じて課せられる部分の「所得割」と全ての人に一定額課税される家賃のような部分の「均等割」の2つに分けられます。

多くの会社では、源泉徴収のような給与から従業員の住民税を差し引いて代わりに地方公共団体に支払ってくれる「特別徴収」という形をとっている会社が多く、住民税についても給与から控除されます。

社会保険料

社会保険とは人々の生活の安定を図ることを目的とした加入が強制された保険制度で、個人に何かあった場合に、国の社会保険制度を適用するためには社会保険料の支払いはマストです。

会社員に課せられる保険料は4種類で「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「雇用保険」をいいます。個別解説は割愛しますが、「介護保険」は40歳以上の従業員が対象になりますので、新入社員であれば「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」の3種類が給与から控除されます。

年収、月収

控除額を差し引く前の年、月ベースの総支給金額をいいます。

手取り

総支給金額から控除額を差し引いた金額で、実際に入金される金額をいいます。

収入別の控除額イメージ

では、次に収入別でどれだけ控除額が差し引かれるか見ていきます。

この例は、給与からいかに控除額が差し引かれているかをフラットで見たいので、控除額を減らす要因となる事項については加味しないで計算した場合のMAXの控除額です。

年収1,000万円の場合

大きな目標目安となる年収1,000万円の会社員であれば、一般的に単純な手取りは700万円程度になると言われています。つまり300万円ほど税金と社会保険料で持っていかれるわけです。これは、年収の約30%にあたり、1年のうち3.6ヶ月は税金と社会保険料を支払うために働いている計算になります。

計算すると嫌な気持ちになりますが、会社員の税金と社会保険料の負担は、給与が増えれば増えるほど増してきますので、更に年収が上の方はもっと控除されていきます。

収300万円の場合(月収20万円+賞与3ヶ月分)

この例は、新入社員の方も比較的イメージが湧きやすい金額だと思いますので、月収ベースでも少し解説を入れていきます。

新入社員の1年目の月収が20万円の場合、所得税と社会保険料が控除されて大体17万円くらいの手取りになります。

以下の給与明細は、月収20万円のサンプルです。給与明細は会社によってフォーマットが異なりますが、大まかな記載内容に関してはどこの会社もほぼ同じです。

この給与明細では、月給=基本手当になります。

そして通勤手当を含んだ211,170円が給与(総支給額)となります。

そして各種控除額の合計額が32,854円なので、給与から控除額を差し引いた金額が手取り額の178,316円になります。

給与明細 サンプル

ここで「住民税は控除されないん?」と思ったあなたは、非常に鋭いです。

住民税は前年の所得によって課税される税金であるため、社会人1年目の場合、学生時代に異常に稼いでない限り住民税が課税されることはないからです。よく2年目の方が手取りが少なくなると言われるのは、所得税と社会保険料にプラスして住民税も控除されるからです。

入社2年目で月収が20万円のままであれば、控除額に住民税がプラスされるので、手取りは大体16万円くらいになります。2年目をベースで見ると最低でも約20%も税金と社会保険料で控除されていることになります。年収ベースで見ると240万円が手取りということになります。

たまに「年収」や「月収」ベースでお金のやりくりを考える人がいますが、総支給金額と手取りの差異が2030%もある今回の例を見ると、いかに「手取り」ベースでの資金管理が重要か気付かされると思います。

今回一番学ぶべきは、年収や月収は、あくまで飾りであって、大切なのは、実際手元に残る手取り基準でも物事を考えるということです。

「年収」を増やすのではなく、「控除額」を減らせ

では、「手取り」を増やすにはどうするか?

手取りの計算は、

「給与」「控除額」

で計算します。

一般的に手取りを増やすには、給与を上げることが一番の近道であると言われます。

もちろん給与が上がるのであれば、それはそれで申し分ないのですが、あなたは会社に入ってすぐ給与が上がるイメージ湧きますか?

日本の多くの会社は、過去の名残から永年雇用を前提に会社の給与形態の仕組みが長年構築されてきたこともあり、緩やかに給与水準が上がっていくことが多く、安定している反面、長く働かないと給与水準が上がりにくい給与体系となっているところが多いです。

そして、給与アップは会社が決めることで、自分がどれだけ高い自己評価をしても、会社が評価してくれなければ、給与は上がりません。特に、若いうちは「成果」=「給与アップ」に繋がりにくい会社が多い印象です。ベンチャーや特殊技能業等であれば、若くして高収入を得ることも可能かもしれませんが、結論的に言えば、大部分の若い会社員は、そんなに簡単に給与は上がりません

では、手取りを増やすにはどうするか?

給与が上がらないのであれば、控除額を減らすしかありません。

これは会社経営でも同じで、コロナ禍で売上が中々上がらなければどうしますか?

人件費や諸経費を抑えて、なんとか利益を確保しにかかりますよね。

要は、それと同じです。

給与は簡単に増えませんが、控除額は自分の意識次第で減らせます。

その意識というのは、お金の知識です。

対お金については、あまりにも知っているもん勝ちのことが多いです。

お金の知識とは、会計や税金はもちろん保険や不動産、株など幅広い分野の知識や情報を言います。残念ながら今の日本では、お金の知識は、学校ではもちろん、会社でもほとんど教えてくれないため、自分の意思で学ぶ必要があります。昔に比べるとYouTubeをはじめ様々な手段で第一線で活躍されているプロから情報を仕入れることができる時代になりましたが、やはり興味、感心を持たなけば自分の知識になりません。

そして、得た知識を実行に移せなければ意味がありません

たとえ情報を仕入れても、難しそう、面倒だと言って放棄していることありませんか?

お金持ちはドンドンお金持ちになるけど、貧乏人は貧乏を抜け出せず、ドンドン貧乏になるといった富の格差が生じるのは、この情報力と実行力による差が大きいです。

私も税理士業界に入って会計や税金のことを学び「知らないことの怖さ」を痛感し、経営者の情報量と実行力のパワーに圧倒されました。

なにより、お金に対する知識の取得と実行が、若ければ若いほど自分にプラスになって帰ってきます。

なので、若いうちに是非お金について知識を蓄えることをオススメします。

さいごに

以上ここまで控除額をメインに解説してきました。

次回は、具体的に控除額を減らす手段について、いくつか紹介していきます。

給与明細とお金
最新情報をチェック!