ペーパーカンパニー(幽霊会社)とは?

ここ最近よく「ペーパーカンパニー」というワードを聞きます。

「持続化給付金」の実際の給付作業を請け負っているといわれている、電通とパソナが設立した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」

「アベノマスク」問題で、政府がマスク納入業者の公開を渋りまくった最後の会社「㈱ユースビオ」

コロナのドタバタに合わせて色々出るわ、出るわ…

前者に関しては、電通、パソナという名の知れた企業の後ろ盾があるので「信頼」という点では、初めは多少の納得感はあったが、受注額の使途の不明瞭さ、電通への業務再委託の妥当性、そしてなにより委託入札の対抗が「トーマツ」て…どう考えても、委託内容的に「トーマツ」の方が適任やろと

後者に関しては、「もはやどこやねん?」状態で、そもそもユースビオはマスク関連事業の会社でもなく、代表は過去に脱税事件を起こしていたなど、癒着感しか感じえない無茶苦茶っぷり

もはや色々突っ込みたくなりますが、どちらの会社も法人登記はされているものの、事業を行っている実体のない”ペーパーカンパニーではないか?”と言われています。

前回の記事でも、持続化給付金を受け取るために修正申告で売上を粉飾した際にもペーパーカンパニーが利用されています。

今回はこのペーパーカンパニーについて取り上げます。

存在自体に違法性はないが…

改めてペーパーカンパニーとは、「登記上は存在するが、事業実態のない会社」をいい、幽霊会社(ゴーストカンパニー)やダミー会社ともいわれますが、あくまで俗語です。なので、結論から言うとペーパーカンパニー自体を作ることは違法ではありません。

要は、ペーパーカンパニーを使った節税がグレーとして見られるわけです。

理由は、実態のない会社であるが故に実態を都合良く操作できてしまうため、脱税や違法行為の温床となりやすいことや、少し前には海外のタックスヘイブン(低税率国)に法人を設立して、節税を行う租税回避行為なども流行りましたね。

なお、似たような言葉でプライベートカンパニーもあるが、プライベートカンパニーは、個人が設立した会社のことで、一般的な会社のように事業を行うことを目的としているものではなく、不動産や金融資産などの個人資産を持たせて管理させたり、小規模事業を行うことを前提として設立されることが多く、基本的には事業の延長線で節税目的で設立される法人と考えることができます。

メリットとデメリット

メリットというと良いことみたいですが、ペーパーカンパニーを使った節税は基本的にはグレーであるためNGとお考え下さい。

それを踏まえて、ペーパーカンパニーを作る理由は、設立した法人側での節税を目的としており、<ペーパーカンパニーを利用して売上や費用を創出し、利益操作をすることで

・法人税、住民税、事業税などの税金を減額
・過度な経費をたてることで消費税の還付狙い
・消費税の納税義務外し

が理論上可能となります。

極端な例で簡単に説明します。

A社がペーパーカンパニーB社を設立した。

決算目前でA社は利益が500万円あり、このまま決算を迎えると法人税の納税が150万円発生する。(上図①)

なんとか税金を抑えたいということで、B社の登場です。

A社は特にサービスを受けていないにもかかわらず、B社からサービスを受けたということにしてB社に500万円を報酬として支払った。つまり、A社に架空の経費を、B社に架空の売上を計上します。(上図②)

A社はこの時点で利益が”ゼロ”となるため、法人税の支払いがなくなります。

ただ、B社に新たに売上を計上していたため、500万円の売上を放置しておくと、B社は決算のときに法人税150万円の納税が発生します。

このままでは、A社の利益がB社に移っただけになります。

そのため、B社はあらかじめB社の社長へ役員報酬500万円を支払うようにしておきます。役員報酬は経費となるため、A社とB社の決算時期をズラしておけば、その利益部分だけ相殺するようにB社で役員報酬を支払うことが可能です。これでB社の利益も”ゼロ”となり、法人税の支払いはなくなります。(上図③)

架空請求という一番悪質なパターンで説明しましたが、ペーパーカンパニーは内々で作られている会社であるため別会社とはいえ、設立法人側の意思ありきであるため、取引の操作が容易で、理論上このようなことも可能となってしまいます。

ただ、デメリットも存在はします。

まずは、当たり前ですが、脱税として摘発される可能性です。

そもそも同グループ間の取引は恣意性が入りやすいため、税務調査で重視して見られるので、上記のような安易な脱税行為は、容易に摘発されます。

たとえ、実際に子会社からサービスを受けていたとしても、そのサービスの金額の妥当性についても注意が必要です。サービス内容に比して、著しく過大な金額により報酬を支払っている場合は、サービスの実態や妥当性により税務調査で否認されることも考えられます。

また、海外のペーパーカンパニーを使った節税行為についても、近年タックスヘイブン税制制度の整備により、厳しく取り締まりが行われています。

あとは、ペーパーカンパニー設立による設立費用と維持費もデメリットです。法人を設立すると、利益が出ていなくても

・設立費用
・法人住民税均等割
・決算税務申告料

が通常必要となります。特に均等割と税務申告料は毎年かかるので、それなりの支出となります。

ペーパーカンパニーと認定されないためには

設立した会社で使っていない会社があったり、事業をしていない会社があっても架空請求や水増し請求などで、親会社の利益操作目的で使用していなければ、存在すること自体については何ら問題ありません。

要は

・会社にしっかりとした実態を持たせること

・実態ある取引をすること

が重要なのです。

具体的には、会社の実態については、

・事務所を構える
・従業員がいる
・外部との取引がある 

など、事業をしていくうえで当たり前の体制を作るだけです。

取引についても、

・一般的に考えて事業規模と合致した内容かどうか
・同サービスを提供する他社と比較して金額が過度に乖離していない
・実際にサービスを受けたというエビデンス

など、外部の取引以上に取引の妥当性が必要となります。

さいごに

今回、コロナ関連で最近よく聞く「ペーパーカンパニー」について取り上げました。

正直、ペーパーカンパニーは上場しているわけでもないので、基本的にその会社周りの人しかわかりませんし、今回矢面にあがった「サービスデザイン推進協議会」、「ユースビオ」に関しても実態の真意はわかりません。

前者に関して言えば、電通、パソナの後ろ盾があるので、少なくともなにかしらの事業実態を持たせる細工くらいはしているとは思いますが…

ただ、このコロナという緊急事態に際して、求められているのは、施策に対する「スピード感」と「精度の高さ」であるにもかかわらず、今回上記2社が請け負った「持続化給付金」、「アベノマスク」の施策はともに、ゴタゴタ続きで世間からは大バッシングで不備が出まくり

しかもその事業の委託先が実態を疑われるような会社で、自分達の利権重視の政府は、ろくに情報を開示せず、ブラックボックスまっしぐら

これでは、さすがに呆れますよ…

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