今までは個人の税金について話すことが多かったですが、決算書を読めるようになりたいから会計についてわかりやすく教えて欲しいとご要望もあったので、会計について1から書いていこうかなと思います。
会計の役割
まず会計を知るには経済活動の一連の流れをしっかりつかむことが必要です。

上の例でみると企業は、
財務活動 → 投資活動 → 営業活動 → 財務活動 …
基本的にはこのサイクルを繰り返して企業は、成長していきます。
まず企業は経済活動をするためには、資金が必要です。
そのため、まずは財務活動として資金の借入れや出資による資金調達を行います。
その資金を元手に投資活動として経済活動を行うために資産を購入します。
そして、資金や資産を利用して営業活動を行い、利益をあげます。
その利益を元に借入の返済、株主への配当を行います。
状況によって順番は前後するかもしれませんが、基本的なサイクルはこの流れになります。
では、なぜ会計が必要なのか?
それは会社の目的が「経済活動を通じて、利益を出すこと」を目的としており、その利益を計算する尺度、つまりルールが必要だからです。
このルールが会計ということになります。
会計の種類
会計を大きく分けると『過去』と『未来』の2つにわけられます。

過去会計は、会社にとって義務であり、制度会計といえます。
財務会計
企業会計原則(決められたルール)に基づいて外部の利害関係者に会社の経営成績を情報開示する目的で経済活動を帳簿に記帳し、財務諸表を作成する会計をいいます。
世間一般でいわれる会計はこの財務会計を指します。すなわち、財務諸表の基礎となるものは経済活動(日々の取引)であるということになり、一般企業であれば社内で経理部の方がされているイメージです。
税務会計
財務会計を下に申告納税額を計算するため、税務申告のために行う会計をいいます。
財務会計と税務会計では目的が異なり、ルールが多少異なるため、財務会計で計算された利益から、財務会計と異なるルール部分を調整して課税所得を計算し、納税額が計算されます。これは一般企業であれば、税理士や会計士がされているイメージです。
未来会計は、会社にとって義務ではないが、経済活動を行っていくでは必須のものといえます。これからの時代はこちらの未来会計に力を入れる必要があると考えられます。
なぜか?
それは過去会計だけでは、経営の実態を正確に把握することは出来ず、また会社の未来を見据えることはできません。
ここで必要になるのが『未来会計』なのです。
管理会計
経営者や役員などの内部の利害関係者に経営状況を可視化するために会社独自にアレンジした会計で、自社の経営について分析したり意思決定を行ったり、製品や人事に関する施策を打つことができる、マネジメントするための会計であり、経営に役立つために導入されるものです。
経営計画
「成り行き経営では業績向上は望めない」ため、社内的には明確な道しるべとなるものであり、対外的にも株主や銀行に対して会社のビジョンを周知することで融資や投資判断の材料となるもの
以上が未来会計の中身で、これからの会計のプラスアルファーの役割とも言えます。
以前までの会計は、過去会計ありきでしたが、現在は大企業ほど未来会計に力を入れています。なぜなら、利害関係者は過去より未来が見えなければ投資をしてくれません。
経営計画には未来に期待を持たせるだけの力がなければなりません。
つまり経営者、経営陣には、過去の流れから会社の動きを知り、自社の実力を知り、今後の未来を創り込むことがこれからは求められるのです。
さいごに
今回は前提として会計の必要性について解説しました。
次回は財務諸表と複式簿記について説明していきたいと思います。