損益計算書についての記事を書こうと思っていましたが、最近よく持続化給付金について質問されるので、簡単にQ&A形式で説明します。
私も先日申請しましたが、正直急ごしらえ感いなめなかったですね。
申請要領と矛盾を感じるところもあったので、少し戸惑われた方もいるのではないでしょうか?
では順番に見ていきましょう。
今年から創業したが、申請できる?
できません
給付は前年の売上高等に基づいて算出されるため、2020年1月以降に創業された方は、給付額の算定根拠を確認することができないため対象とされません。
*現在は、今年創業でも一定要件を満たせば申請可能です
昨年創業した場合、申請できる?
可能です
私も昨年4月から個人事業主として開業届を出し、特例計算のうえ申請しています。
原則計算は、昨年と今年の同月での売上比較による計算ですが、
2019年12月31日以前創業の場合で
2020年4月1日までに開業届を提出している事業者に限り
給付金額の計算について特例が適用できます。
(給付額の算定式)
S = A ÷ M × 12 - B × 12
S:給付額(上限100万円)
A:2019年の年間事業収入
M:2019年の操業月数(1月未満の月は1か月とみなす)
B:対象月の月間事業収入
算式だけではわかりにくいので、下記で簡単に例で計算して説明していきます。
(例)2019年4月に事業を開始し、昨年は年間180万円の売上があり、今年に入ってコロナの影響で売り上げが落ち、4月の売上は10万円であった。
・Aが180万円(収入であり所得ではありません)
・Mが9か月(4月開業の場合4~12月で計算される)
・Bが10万円(2020年の計算の対象としたい月の収入)
この場合の
S = A ÷ M × 12 - B × 12
による算式をわかりやすく2つに分けます。
①180万円÷9月×12月=240万円(最初の計算で前年の収入を12か月ベースに計算)
②10万円×12月=120万円(あとの計算で対象月ベースを今年1年の収入として計算)
③240万円-120万円=120万円(①-②)
120万円が支給対象額となりますが、支給上限は100万円なので100万円が支給されます。
なので極端な話、2019年12月だけでも収入があれば、申請は可能になってしまうのです。
個人事業をしていますが開業届を提出していないが、申請できる?
可能です
開業届を出していない個人事業者(フリーランス)も今回は対象に含まれているため、2020年1月以降の創業でなければ持続化給付金自体の適用は可能です。当たり前ですが、昨年の所得を証明するための確定申告などの書類は必要になります。
また再度言いますが、Q2の特例計算の適用については、開業届の提出が必須なので2020年4月1日までに提出していない場合は不可となるので、原則計算で行う必要があります。
余談ですが、開業届の提出については提出がなくても罰則はないですが、本来的には提出は一応義務ではあるので、遅れてでも提出し説とくことをおススメします。
現状においては、売上が落ち込んでいなくても利用可能か?
可能です
今回の給付金は「2020年1月以降新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること」となっているので、2020年の12月までは昨年の同月の売上と比して50%以上減少しているのであれば、申請可能です。
ちなみに、給付金の申請期間は令和2年5月1日から令和3年1月15日までなので、12月が対象月の場合は申請が遅れないように注意が必要です。
特別定額給付金と都道府県の協力金などの併用は可能か?
可能です
あくまで持続化給付金については併用で他のものも適用可能ですが、他の給付金や助成金がそもそも併用できるか否かは別途そちら側で確認が必要です。
振込口座はネットバンクでもいける?
可能です
私もネットバンクで申請出しました。ネットバンクの口座情報か金融機関名等の情報が記載されたページをスクリーンショットして申請しました。
ただ、要領の証明の説明がかなりさらっとしか書いていないのと、申請画面は紙の通帳ベースで申請させる形式のフォーマットしかなかったので、ちゃんと振り込まれるのかは、振り込まれるまでわかりませんが…
青色申告書の提出は任意?
任意です
なぜか、青色申告をしている方の青色申告書の提出について任意になっています。提出しない場合は、白色申告を行っている者等と同様に、Q2の2019年の月平均の事業収入と対象月の月間事業収入を比較する特例で計算することとなります。
他にも、
・所得税青色申告決算書に月間事業収入の記載がない者
・相当の事由により当該書類を提出できない者
もこれに該当するようです。
罰則はある?
あるようです
どのタイミングかはわかりませんが、コロナが落ち着いたタイミングで調査などあるかもしれませんので適正に申請はしましょしょう(以下「申請要領」参照)
提出された証拠書類等について、不審な点が見られる場合、調査を行うことがあります。調査の結果によって不正受給と判断された場合、以下の措置を講じます。
①給付金の全額に、不正受給の日の翌日から返還の日まで、年3%の割合で算定した延滞金を加え、これらの合計額にその2割に相当する額を加えた額の返還請求。
②申請者の屋号・雅号等を公表。不正の内容が悪質な場合には刑事告発。
さいごに
以上
簡単ではありますが、Q&A方式で持続化給付金についてみてきました。
個人的にはかなり緩い申請内容で穴も多い制度だなと感じましたが、この制度はあくまで事業救済が目的ですので、適正に受給するようにしましょう。