【年末調整】誰でもわかる「保険料控除申告書」の書き方② 【地震保険料・社会保険料・共済掛金控除編】

前回に引き続き「保険料控除申告書」の書き方パート2です。

今回は

「地震保険料控除」

「社会保険料控除」

「小規模企業共済等掛金控除」

の3種類の控除申告の書き方について解説します。

地震保険料控除

地震保険料控除は、火災保険とセットで契約した地震保険に該当する部分の保険料で1年間に支払った保険料のうち一定額が所得控除になります。

地震保険は単独で加入することができないため、火災保険に地震保険特約をつけて加入し、保険料を払っている人が対象となります。

ただ、地震保険と一緒に支払っている火災保険部分については対象外となります。

また、地震保険料の対象となる保険料は、自分や生計一の配偶者その他の親族が所有している住宅で、かつ常時住宅使用している建物および家財に対するものとされているため、他人に賃貸している住宅の地震保険料は対象になりません。

他にも、旧長期損害保険料(平成18年12月31日以前の長期損害保険契約等の保険料)を払っている場合で、保険期間が10年以上で満期返戻金があるもの、かつ平成19年1月1日以後にその保険契約等の変更をしていないものについては、地震控除の特例として対象となります。

以下、各項目の記載事項の解説です。

保険会社等の名称

会社名を控除証明書から転記します。略称でもOKです。

保険等の種類

地震や積立傷害など、保険の種類を控除証明書から転記します。

なお、同一契約に地震保険料と旧長期損害保険料の記載が控除証明書にある場合は、いずれか一方の保険料を選択して保険料控除に使用できます。

保険期間

控除証明書から転記します。

契約者氏名・居住利用等の氏名・続柄

契約者氏名は、控除証明書から転記します。

保険料控除と同様に、「契約者」でなく「支払者」が控除対象となるため、契約者が自分以外の家族であっても、保険料を自分で支払っている場合も記載は可能となります。

居住又は家財利用者の氏名については、控除証明書に記載はなく、現況を記載します。

続柄は、「居住利用等の氏名」該当者から見た契約者との関係性を記載します。

契約区分

控除証明書の記載に沿ってそれぞれ選択します。

Ⓐ 各区分の支払保険料の額

控除証明書に記載された「申告額」を記入します。

生命保険料控除と同様に、年始から控除証明書発行時点までに支払った保険料合計額の「証明額」を記載しないようにしましょう。

Ⓑ Ⓐのうち地震保険料の合計額

Ⓐ各区分の支払保険料の額のうち、地震保険料の合計金額を記載します。

Ⓒ Ⓐのうち旧長期損害保険料の合計額

Ⓐ各区分の支払保険料の額のうち、旧長期損害保険料の合計金額を記載します。

地震保険料控除額

それぞれの上限額、算式で計算した金額を記載します。

Ⓑの金額は、上限が50,000円なので50,000円以下の金額であれば、上のⒷで記載した支払保険料の額をそのまま記載します。

50,001円以上であれば、50,000円と記載します。

Ⓒの金額は、上のⒸで記載した支払保険料の額が10,000円を超える場合は、”支払い旧長期損害保険料×1/2+5,000円”で計算した金額を記載します。上限15,000円を超える場合は、15,000円を記載します。上のⒸで20,000円以上払っている場合は、必然的にここは15,000円となります。

10,000円以下の金額であれば、上のⒸで記載した支払保険料の額をそのまま記載します。

最後は、ⒷとⒸの合計額で上限が50,000円となります。

社会保険料控除

社会保険料控除は、自分や自分と生計を一にする配偶者や親族の社会保険料で、その年1年間に自分が支払った額の全額が所得控除になり、社会保険料控除には限度額が設けられていません。

なお、控除対象となる社会保険料は以下のものです。

・健康保険料、厚生年金保険料
・国民健康保険料、国民年金保険料
・後期高齢者医療保険
・介護保険料
・雇用保険料
・国民年金基金の掛金
・厚生年金基金の掛金
・公務員共済の掛金
・配偶者・親族の社会保険料(申告者が支払っている場合)

一般的な会社員であれば、会社で健康保険と厚生年金に加入しているため、社会保険料は会社が給与・賞与から天引きしてくれます。

そのため1年間の社会保険料の支払額は会社が把握しており、年末調整の際に天引きされている社会保険料分の社会保険料控除の金額は勤務先がその金額を計算してるため、年末調整の手続きや添付書類の提出等は特に必要ありません。

ただし、以下に該当する場合は年末調整の際に社会保険料控除の手続きが必要となります。

〇 家族の社会保険料等を支払っている場合

子供が20歳になり、学生である子供の国民年金保険料の支払いを親が負担する場合等が該当し、国民年金の控除証明書の添付が必要となります。

〇 社会保険料の前納、過去の社会保険料を支払った場合

前納は先払いをいい、支払った年に一括で社会保険料控除を適用する方法と各年分に分割して社会保険料控除を適用する方法のいずれかを選択することができます。

また、過去に滞納していた社会保険料を支払った場合も支払った年に支払額を社会保険料控除を適用することができます。

〇 国民健康保険、国民年金保険等を自分で支払っている場合

年の途中で就職した場合や勤務先が社会保険に未加入の場合、その年1年間で自分で支払った国民健康保険や国民年金保険については、自分で納付を行うため勤務先で金額を把握していないため、年末調整の際に社会保険料控除の手続きが必要となります。

なお、国民健康保険料は、控除証明書が発行されないため、添付書類等の提出義務がありませんが、勤務先によっては、支払い状況を確認するため「健康保険料の支払通知書」など提出を求める場合もあるので、会社に確認しておきましょう。

以下、各記載項目の解説です。

社会保険の種類

国民年金、国民年金基金、国民健康保険等の社会保険の種類を記載します。

保険料支払先

日本年金機構、国民基金連合会など保険料の支払先を記載します。

保険料負担者・続柄

自分の保険料の場合は、氏名には、自分の氏名を記載し、続柄には本人と記載します。

家族の保険料の場合は、氏名には、家族の氏名を記載し、続柄には自分との関係性を記載します。

本年中に支払った保険料

国民年金や国民年金基金については、「社会保険料控除証明書」が届くので、証明書記載の「支払予定額の合計額」を記載します。なお、社会保険料控除証明書については、会社に提出する必要があります。

国民健康保険や介護保険等については、領収証書や保険料納付証明書などを確認しその年1年において支払った金額合計を記載します。

合計控除額

本年中に支払った合計額を記載します。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除とは、以下の4項目に該当する共済家契約でその年1年間に自分が支払った額の全額が所得控除になり、社会保険料控除同様に限度額が設けられていません。

・小規模企業共済
・企業型DC(企業型確定拠出年金)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・心身障害者扶養共済制度

いずれも各機関から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が郵送されてきますので、控除を受ける場合は、会社に提出する必要があります。

なお、会社の給料から天引きされている掛金は会社が金額を把握しているので、特に記載する必要はありません。

ところで小規模企業共済制度ってどんなものでしょうか?

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する制度で、小規模企業を営む経営者や役員・個人事業主等が加入でき、毎月積立を行い、65歳以上で180ヵ月以上の掛金の納付期間があるなど、決められた要件を満たすことで共済金を受け取ることができます。

目的としては、経営者や個人事業主の廃業・退職に際して、その後の生活安定や事業再建ための退職金や一時金を備えるためや、一般従業員と比較して、社会保険や労働保険等の各種制度の恩恵を受けることが少ないため、社会保障政策の不足を補填する目的で発足した制度です。

一昔前は、経営者などのための制度としての意味合いが強かったですが、近年は「iDeCo」など会社員などの一般個人でも使えるものとなっています。

小規模企業共済等掛金控除については、独立行政法人中小企業基盤整備機構や国民年金基金連合会、地方公共団体から送付された控除証明書をもとに金額を記載します。

さいごに

ここまで、保険料控除証明書の右半分「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」について解説してきました。

なお、保険料控除を含め各種所得控除に際し、漏れや誤りがあった場合は、勤務先に申し出ればやり直しすることが可能ですし、それも間に合わないようでしたら確定申告で自分でやるというのも可能です。

税金が戻ってくる還付申告であれば、過去5年はさかのぼって確定申告のやり直しが可能なので、知っておくと漏れや誤りがあっても落ち着いて対応が出来ると思います。

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