仮想通貨の確定申告③【その他取引編】

今回は、前回に引き続き仮想通貨シリーズの売買取引以外の以下の取引について、それぞれ解説していきます。

・アフィリエイト
・ハードフォーク
・エアドロップ
・マイニング
・レンディング
・PoS・ステーキングサービス

前提としてすべての取引に共通する部分として2つあります。

1つ目は、基本的にはすべての取引の所得が「雑所得」になるとお考え下さい。もし各項目について「事業」として行っている場合は、「事業所得」に該当する可能性がありますので、前々回の記事の「仮想通貨取引の事業所得は可能?」の「事業」に該当するための判断部分をご覧ください。

そして2つ目は、確定申告で申告すべき所得は入金額ではなく確定額であるということです。

なぜか?

それは、取引の実態に即して申告をして欲しいからです。取引の確定から入金まではタイムタグが発生し、万が一入金までに時間がかかり年をまたぐと去年に取引が確定しているのにも関わらず、今年入金があったということで損益の確定と申告に差異が生まれるため、そこをしっかり損益の確定ベースで統一することで、取引実態に即した形=取引の確定による確定額で所得の申告が必要となります。

各取引の取り扱い

アフィリエイト

成功報酬型広告というやつで、近年これだけでかなりの所得をあげる人もおり、国税庁も目を光らせているとかいないとか…

仮想通貨であれば、仮想通貨取引所をアフィリエイト広告からの登録、ICO(仮想通貨版IPO)の紹介で新規通貨を紹介された方が購入する等でもらえるようなことが多いかなとは思います。

アフィリエイトによる所得の認識のタイミングは、報酬が確定となった時点となります。先ほども前提で述べたとおり入金時点ではありません。アフィリエイトの場合、この確定までのタイムタグがかなり長くなることも予想されますので、しっかり確認しておきましょう。

所得の計算については、アフィリエイト報酬が法定通貨であれば、その報酬額がそのまま所得(必要経費を差し引いて)になります。もしアフィリエイト報酬が仮想通貨であれば、所得の計算方法は市場価格の有無によって2つに分かれます。ここについては、あとのエアドロップと同じ計算なのでそこで説明します。

ハードフォーク

ハードフォークとは、仕様の変更を意味し、従来のものと異なる新しい仮想通貨が誕生します。ビットコインは、これまで幾度となくハードフォークを繰り返したことで、「ビットコインキャッシュ」「ビットコインゴールド」など新しい通貨が誕生しました。

もらえる条件としては、大部分は、ある一定時点(分岐時点)においてハードフォーク元のコインを持っているだけで、新たなハードフォークコインをもらえると思います。

ハードフォークによる所得の認識のタイミングは、売却時点となります。分裂の時点では新規の仮想通貨の取引相場は存在しておらず、その時点で所得は生じません。つまり、ハードフォークで新たに誕生したコインは市場価値のないものとみなされ取引所に上場するなどして通貨に価値がついて初めて所得計算が必要となります。

所得の計算は、売買時と同じように売却価格-取得価額で行われます。ここで注意が必要なのは、新たに誕生したハードフォークコインの取得に際しては費用の支出がないので、取得価額は現行制度上0となります。つまりハードフォークにより新たなコインを10単位貰ったとし、そのコインが上場し1単位1,000円の価値で売却を行えば、10,000円まるまるが所得になります。

エアドロップ

仮想通貨のエアドロップは、 仮想通貨を無料でもらえるイベントです。仮想通貨の発行元が宣伝目的で、仮想通貨を無料配布しています。

やはり初期投資がないのが最大のメリットで、2、3年前は様々なコインが乱立しまくって積極的にエアドロップしていたように思いますが、詐欺まがいのエアドロップも多く存在したことや一気に仮想通貨自体が価格を下げてからは、あまり聞かなくなってきたように思います。

エアドロップによる所得の認識のタイミングは、売却時点となります。ほとんどは、ハードフォークのように取引相場がないものですが、まれに上場済のコインをエアドロップされることもあるため、その場合取得価額が変わってきます

エアドロップによる所得の計算は仮想通貨を入手した時点で、市場価値があるかないかで所得の計算が異なります

1、通貨に市場価値がついている場合は、入手した時点での時価が取得価額となります。

2、通貨に市場価値がついていない場合は、取得価額は0となり、ハードフォークと同じようにその通貨を売却した、売却金額がそのまま所得金額となります。

マイニング

ビットコインはユーザー同士で取引を「承認」し合うことで不正を防いでいます。このため、仮想通貨取引の承認作業(マイニング)を行うと、対価として仮想通貨を得ることができます。

ビットコインを無料でゲットできる点は魅力ですが、高性能なコンピューターや電気代が高額となるため注意が必要です。

マイニングによる所得の認識のタイミングは、取得した時点となります。

所得の計算は取得時点での時価-マイニングするために係った必要経費です。

パソコンなど高額な資産に該当するものについては、一括経費処理は出来ず、減価償却により何年かに費用が按分されるのでお間違いなく。

簡単な例を挙げると、1ビットコインを時価100万円の時にマイニングにより取得し、経費は電気代10万円とパソコンの減価償却費が30万円とすると、マイニングによる所得は、100万円-10万円-30万円で60万円となります。

もちろん、このビットコインを120万円の時に売却したのならば、売却価額である120万円からマイニングによる取得価額100万円を差し引いた20万円も所得となりますので、お忘れなく。

レンディング

仮想通貨を取引所を通して貸し出し、貸出期間によった金利を得ることを目的とする投資の一つです。現在国内の取引所では

・Coincheck
・GMOコイン
・bitbank

で利用が可能です。

また海外で有名どころでいえば

・バイナンス

でも利用が可能です。

取引所によって異なりますが、現在の国内の取引所で提供されているレンディングサービスでは、年間利率1~5%程度で行われています。楽な資金運用方法で長期保有を考えるのであれば、レンディングするのも一つの手ですが、レンディング中は通貨の身動きが取れないため元本割れや破綻のリスクがありますので注意も必要です。

所得となる可能性としてあるものはレンディングによる利子です。利子については普通の預金であれば「利子所得」に該当されますが、前提でも話した通り現状の仮想通貨における税制制度ではレンディングの利子については「雑所得」に該当されます。

所得の認識のタイミングは、利子を受け取った時点であり所得の計算は、受け取った時点での市場価額(時価)に課税されることとなります。

もし、取引所が破綻などでレンディングしていた通貨が回収できない場合は、その損失分については経費にできる可能性があります。これは貸し倒れという税務上の要件を満たす必要があるので、ここでは一応経費にできる可能性があるというところで留めておきます。

PoS・ステーキング

2020年1月に仮想通貨取引所Coincheck(コインチェック)がLiskを対象としてステーキングサービスを開始しました。ステーキングとは仮想通貨を保有したままにしてブロックチェーンのネットワークをサポートすることで、報酬を受け取ることができるという仕組みで、一定数の仮想通貨を一定期間取引所のwalletに持っているだけで仮想通貨がもらえます。海外の「バイナンス」という仮想通貨取引所であれば、10以上の通貨で高利率でのステーキング可能です。

なお、所得の認識のタイミングは、報酬を受け取った時点であり所得の計算は、受け取った時点での市場価額(時価)に課税されることとなります。レンディングと同様に取引所の破断やWalletの何らかの紛失などによりステーキングしていた通貨が回収できない場合は、その損失分については経費にできる可能性があります。

さいごに

現在、考えうる仮想通貨の取引について一連の取り扱いについて書いてきましたが、本当にいろんな形のものがあるなと改めて思いました。これからも新しい形の投資形態が出てくるんでしょうが、ルールを構築する国側はたまったもんじゃないでしょうね。

年々投資取引のグローバル化、IT化が進み情報を追う難易度は格段に増しています。しかし、国も後追いではありますがその度に新しい制度を構築し必ず莫大な利益を上げた高所得者の投資に係る無申告等については摘発されているように感じます。

制度が整っていないからと言って無申告ないしは所得をちょこまかすと、某イケメン芸人のように必ずいつかは摘発されますよ。「わからない」なら、お金で解決するか、自分で勉強するかの2択です。

穏やかな日常を過ごすためにもしっかりと申告・納税はしときましょう。

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