コロナ下の特例制度利用による会計処理と税金上の取り扱い

今回は、昨年コロナ下において、特例措置等を受けた場合の会計処理や税務的な取り扱いについてそれぞれ解説していきます。

各種給付金・補助金の受給

(例)持続化給付金を5月10日に申請し、6月25日普通預金に100万円の入金があった。

会計仕訳

(預金)1,000,000 (雑収入)1,000,000

持続化給付金は、振込で入金されるので入金日の日付で、上記の仕訳を切ります。

収入なので売上ではないのか?と思う方もいるかもしれませんが、売上を計上するときに一般的に使われる勘定科目である「売上高」は、本業の売上を計上するときに使われます

一方の「雑収入」という勘定科目は、イレギュラーで本業でないような収入を計上するときに使われます

持続化給付金は、本業の休業や売上減少を補填するためのイレギュラーな収入であり、あくまで本業であげた売上ではないので、本業の成果を計上すべき「売上高」とは区分して会計処理する必要があります。

その他の休業要請支援金や雇用調整補助金等の各種給付金や補助金についても基本的には雑収入で処理されるのが一般的です。

税金計算上の取り扱い

所得税法上、持続化給付金は所得税が課税されます。

本業たる売上と名目は異なりますが、性質としては、収入として入ってきていることに変わりないため所得税法上は「売上高」も「雑収入」も収益として課税されます。

そのため、仮に間違えて「売上高」と会計上仕訳しても所得税が課税されるので税金計算上は問題はありませんが、各種給付金や補助金を受給するための判定は本業による売上で行われることがほとんどで、仮に本業の売上に補助金や給付金を入れてしまうとその分だけ売上が大きくなってしまい要件からはみ出してしまう可能性があります。

そのため、しっかり本業の売上と補助金・給付金の収入は区分して、適正な会計処理、確定申告をしましょう。

一方、消費税法上は、持続化給付金は消費税が課税されません。

消費税の申告義務がある方は、本業たる売上については、それぞれ取引の性質によって個別の判断が必要になりますが、持続化給付金については、消費税が課税されない「課税対象外取引」になるので、所得税と異なる取り扱いをするところは注意が必要です。

金融機関から事業資金を借入

(例)日本政策金融公庫から「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「特別利子補給制度」を併用してお金を100万円借入した。借入金入金時に振込手数料が1,000円引かれており、借入金の返済期間は3年、利息の支払いは計算の便宜上毎月500円で3年間で2万円とする。

制度概要

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に業況が悪化している事業者を対象に、小規模事業や個人事業であれば最大8,000万円、中小企業であれば最大6億円まで融資を受けることができる無担保・低金利の貸付制度をいいます。

「特別利子補給制度」は、借入のうち3年間は一部金額(小規模事業・個人事業は上限4千万円、中小企業は上限2億円)を無担保・無利子でまったく負担なく借り入れることができる制度で、コロナ下で利用された事業主の方も多いのではないでしょうか。

会計仕訳

借入時

(預金)1,000,000 (借入金)1,000,000
(支払手数料)1,000 (預金)1,000

借入金は、返済義務を背負う負債になるので、「借入金」勘定で処理します。

なお、指定口座に振り込まれる際の振込手数料は、事業主負担になるので、一般的に「支払手数料」等の勘定科目で処理されます。

また、借入時に印紙の負担があれば、「租税公課」という勘定科目を使いますが、コロナ特例による借入金の場合印紙の負担はないので、今回は発生しません。

返済時

(借入金)30,000 (預金)30,000
(支払利息)500 (預金)500

借入金の返済は、返済義務たる負債の支払いですので、「借入金」勘定を①の借入時と逆に処理をします。

また借入金の返済時に利息の支払いがあるので、「支払利息」という勘定科目で利息額を計上します。

利子補給時(借入返済後)

(預金)20,000 (雑収入)20,000

利子補給の入金は、本業たる収入ではないため「雑収入」勘定で処理します。

なお、借入返済後に中小企業基盤整備機構から利子分が補給されるため、この仕訳は借入返済後の2023年以降利子補給されたタイミングで仕訳を計上することになります。
なお、申請手続きについては、「特別貸付」実行後に手続書類が送られてきます。

税金計算上の取り扱い

お金の借入については、収益ではないため税金は課税されません。お金は確かに入ってきますが、あくまで借りているだけなので。

借入利息の支払いや振込手数料は経費として計上できます。一方で利子補給で入金される部分についても、利息の支払いの戻りの性質で本業たる収入ではないため、「雑収入」として税金が課税されます。

なお、消費税は、振込手数料には課税されますが、それ以外の借入関連の費用に関しては、消費税は課税されません。

さいごに

ここまで、各事例の会計処理と税金の取り扱いについてみてきました。

なお、会計入力の勘定科目は、あくまで一般的メジャー科目を例で使っているだけなので、個人や会社ごとにそれぞれ継続利用している取引性質に当てはまる、勘定科目で処理してください。

お金
最新情報をチェック!