今日は消費税について取り上げます。
まず消費税の性質・仕組みについて解説していきます。
消費税とは
私たちの日常生活に密着している消費税は、モノやサービスを消費したときにかかるもので「支払う人」と「納める人」が異なる間接税に該当されます。
消費税は、「納める人」である「事業者」が販売する商品やサービスに含まれ、商品、サービスの流通を通じて次々と転嫁され、最終的に商品を消費し又はサービス提供を受ける「消費者」が負担することとなります。
ここでいう「事業者」は、法人や個人事業主、フリーランスなど事業を行うものを指し、前年以前の売上要件により消費税の申告、納税義務の有無が決定します
納税額の計算
(預かった消費税) (支払った消費税)
で計算されます。
中々イメージわかりにくいと思うので、
下図で説明していきます。
前提にプラスして
・A社と当社は当事業年度で当該取引しかしていないものとする
・下図は税抜価格(括弧書きが消費税額)で記載している

当社(事業者)
ボールペンを550円で仕入れ、990円で販売し利益は440円となります。それぞれに含まれる消費税は税抜価格の10%である50円と90円ですので、売上に係る消費税から仕入れに係る消費税を差し引いた40円を国に申告、納付する必要があります。
ちなみに消費税を除いた利益400円部分については、当社が法人の場合は法人税の申告がもし個人事業主やフリーランスの場合、所得税の申告が必要となります。(A社も同様)
消費者B
特に申告、納付は必要ありません。
本来的には、消費税の性格上モノを最終消費する消費者Bが申告・納付すべきですが、そうなると日本人のほとんどが消費税の申告、納税が必要となり、税務署は1億人以上の申告をチェックしなくてはなりません。
それは現実的に不可能なので、消費者Bが申告納付すべき消費税を当社に支払うことで、申告、納税を当社に依頼、代行しているような形になっているのです。
感覚的に当社は、消費者Bから消費税をただ預かって、それを税務署に支払ってあげているのです。
A社(事業者)
A社は仕入れがないので、売上に係る消費税から差し引く消費税はないので、当社に販売した550円に含まれる消費税50円を国に申告、納付する必要があります。
今回は一商品の消費税がどう完結するかを簡便的に見たいため仕入れはなかったものとしています。
まとめ
現実世界では膨大な取引が行われており、上記規模とは異なり、登場人物やモノ、サービスが増え複雑化しますが、理論上は最終消費者が負担した消費税と事業者が正しく申告・納付する金額は一致します。
消費税は、各段階で二重・三重に消費税が課税されることのないよう、売上に係る消費税から仕入に係る消費税を控除し、各々で消費税を負担することで一か所に税が累積しない仕組みになっています。
この消費税の性質、仕組みについては知っておいて損はないと思います。
結論、今回一番伝えたかったのは「事業者」は消費税を申告、納税する必要があるということです!
消費税の申告納税義務の判定の第一段階はまず「事業者」であることが大前提となります。
次回は、申告・納税義務があるかどうかの判定のやり方について解説します。