【年末調整】誰でもわかる「基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除申告書」の書き方

年末調整申告書の書き方シリーズ最後は

「基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書」について解説していきます。

昨年まで「給与所得者の配偶者控除等申告書」という申告書でしたが、様式が変わり今年から長ったらしい名前の申告書になりました。新様式は、3種類の控除申告をまとめて一つにしたものがこの書類です。

基本情報

扶養控除等申告書と同様に左半分は、会社が記載してくれますので、右半分の氏名と住所を記載し印鑑を押印します。

基礎控除申告書

まず基礎控除申告書について

基礎控除は、従来まで全員一律38万円でしたが、今年から改正により所得制限付きで控除金額が48万円になりました。

所得制限は以下のとおりです。

合計所得金額 2,400万円以下         →  基礎控除額 48万円
合計所得金額 2,401万円~2,450万円    →  基礎控除額 32万円
合計所得金額 2,451万円~2,500万円    →  基礎控除額 16万円
合計所得金額 2,501万円以上         →  基礎控除 なし

給与所得だけでみると年収ベースで2,595万円超えしていなければ、48万円控除は受けられると思うので、大半の人は基礎控除額上乗せですね。

なお、以下基礎控除申告書の記載についてです。

給与所得:収入金額

賞与を含む課税支給額の見積もり合計額を記載します。

おそらく記載時点では、11月ないし12月前半かと思われますので、11月ないし12月分給与についてまだ確定していないと思います。

なので、ここの記載はあくまで見積ベースになるので、以下のように計算します。

① 支給済給与と賞与の確定額(1月~10月+確定していれば11月も)                 ② 未支給給与と賞与については、過去の支給給与をもとに見積もり計算                  ③ ①+②=見積もり合計額

会社によっては、システム等で年収見積額が記載されているところもあるかもしれませんので、最初に申告書の記載状況を確認しましょう。

給与所得:所得金額

収入金額をもとに、申告書裏の「給与所得の金額の計算方法」で計算します。

めんどくさい人は、以下リンクの「My Komon TAX」の所得金額計算ツールを利用してみてください。

令和2年分の年末調整にあたり「給与所得者の基礎控除申告書」を作成する際に、給与の収入金額に対する所得金額を計算するために…

給与所得以外の所得の合計額

給与以外の収入がある場合は、それぞれ該当する所得を計算して合算します。

ただ、そもそも会社員の方であれば、給与所得以外の所得見られるの嫌だと思うので、給与所得の部分だけ記載して、ここは空白で確定申告したほうがエエと思います。

めちゃくちゃ稼いでたらなんか扱い変わりそうですし、なにより副業ダメな会社なら書いたら「おい!」てなりますしね…

合計所得金額の見積額

給与所得の所得金額 + 給与所得以外の所得の合計額

の合算金額を記載します。

控除額の計算

合計所得金額の見積額をもとに判定を行い、該当区分をチェックします。

区分欄は、チェックした該当区分がA,B,Cのいずれかに該当する場合は、アルファベットを記載し、該当しない場合は、空白でOKです。

この区分は、後の配偶者控除等申告書の中で配偶者控除の金額を決定するにあたり利用されます。

基礎控除の額については、判定表から控除額を記載します。

配偶者控除等申告書

配偶者控除等申告書については、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」いずれか2つの控除を受ける場合に記載する申告書になります。

いずれの控除についても、申告者と配偶者について一定要件を満たす必要があるので、注意が必要です。

なお、仮に夫婦両立場から見て、配偶者控除の要件を満たしていたとしても、夫婦のどちらか1人しか控除を受けることが出来ませんので注意しましょう。

以下、要件と配偶者控除等申告書の記載方法の説明です。

申告者要件

申告する年の合計所得金額の見積額が1,000万円以下であること

基礎控除申告書の控除額判定で選択した区分により、控除額の計算で控除金額が変わってきます。

配偶者要件

申告する年の12月31日の現況において、「控除対象配偶者」に該当する配偶者。「控除対象配偶者」とは、以下の要件すべてに当てはまる人をいいます。ざっくりイメージも書いておきます

・民法の規定による配偶者(内縁関係は除かれる)
婚姻届出を提出した夫婦

・生計を一にする配偶者
同居している又は生活費を共有している(財布が一緒)

・合計所得金額が95万円以下
給与収入のみでいうと年間150万円

・青色申告書又は白色申告書の事業専従者として給与を受け取っていない
申告者の個人事業を手伝って給料をもらっていない

配偶者基本情報

扶養控除等申告書に記載した内容を記載していきます。

記載に迷うのが右下の「非居住者である配偶者」「生計を一にする事実」の欄だと思います。

これは、申告者と配偶者の住所又は居所が異なる場合にのみ記載します。

たとえ国外に配偶者が住んでいたとしても、要件を満たせば配偶者控除の適用は可能なため、住所又は居所が異なる夫婦のための配偶者控除の記載欄になります。

配偶者が国外に住む場合は、「非居住者である配偶者」の欄に「〇」をつけます。国内で住所又は居所を異なる場合は、空欄で大丈夫です。

「生計を一にする事実」の欄には、その年に配偶者に生活費を送金等した金額の合計額を記載します。

そして、添付書類として「親族関係書類」「送金関係書類」が必要となりますが、会社によってどこまで細かく書類の提出を求めるかはマチマチだと思います。

同居夫婦については、特に何も記載する必要はありません。

なお、マイナンバーの記載の有無に関しては、勤務先の会社に確認しましょう。

配偶者の合計所得金額の見積計算

基礎控除申告書で書いた見積額計算と同じ要領で、配偶者の合計所得金額の見積額を計算のうえ記載していきます。

判定は、合計所得金額と配偶者の年齢により、それぞれ「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の区分を選択します。

控除額の計算

基礎控除申告書の区分Ⅰと配偶者控除上の区分Ⅱをもとに計算表から控除額を計算し、「配偶者控除」又は「配偶者特別控除」の適用額を記載します。

計算表縦列の基礎控除申告書の区分ⅠのA,B,Cに該当しない場合は、申告者の合計所得が1,000万円を超えているため、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の適用はありません。

計算表横列の配偶者控除上の区分Ⅱについては、④は所得によってそれぞれ細かく「配偶者特別控除」の金額が分けられているので、誤りのないように自分の該当欄を見ていきましょう。

所得金額調整控除申告書

所得金額調整控除申告書は、「所得金額調整控除」を受けるための申告書で、本年の年末調整から新設されました。

当該控除は、給与所得控除額の改正により税負担が増えるであろう層への救済として設けられました。

会社員の給与所得を計算するうえで差し引かれる給与所得控除についても今年以下の改正がありました。

・一律10万円の所得控除額引き下げ
・所得控除の上限額220万円から195万円へ引き下げ

給与所得控除額が減るので会社員の税負担が増えることとなる改正で、基礎控除額の改正でバランスを取っているようにも見えますが、合計所得金額2,400万円超の方においては、基礎控除も昨年までと同額か、減額なので実質税負担が増加することとなります。

それは、さすがに富裕層いじめで可哀そうでしょということで、一定年収層で一定要件に該当する層には、給与所得控除の改正の影響を受けさせない「所得金額調整控除」の制度が生まれました。

所得金額調整控除の適用要件は

・申告者の給与年収が850万円超

かつ下記いずれかの要件を満たす必要があります。

・本人が特別障害者
・同一生計配偶者が特別障害者
・扶養親族が特別障害者
・扶養親族が23歳未満の場合

所得金額調整控除の適用する場合は、いずれか要件から該当するものにチェックをつけ、その該当者についての情報を記載します。

なお、年収が1,000万円を超える場合には当該控除の適用は受けれません。

また、申告者が給与所得以外に公的年金の両方がある場合においても所得金額調整控除を受けることができますが、公的年金は給与所得に該当せず年末調整の管轄外のため、この場合は確定申告をしなければならないので注意が必要です。

さいごに

ここまで、2020年

「基礎控除申告書」

「配偶者控除等申告書」

「所得金額調整控除申告書」

の概要と書き方を見てきました。

一通り説明してきましたが、年末調整は会社によってやり方は異なりますし、個人情報等うるさい時代なので正直どこまでチェックしているかは、かなり怪しいところもあります。

自分の支払う税金や社会保険料に関わってくるところなので、「会社の人がチェックしてくれるだろう」と人任せにせず、しっかり理解して記載できるようにしましょう。

年末調整がある程度理解できれば、確定申告も大して変わりませんし、たとえ年末調整が誤っていたとしても、確定申告で修正が可能ですので、そこについてもしっかり抑えておきましょう。

配偶者控除申告書
最新情報をチェック!